2018.05.15

レポート

オーディションレポート ~「おいしくない紅茶」プロジェクト開始にあたって~

ティーインストラクターとして活動する大野さん。大野さんが研究したい「おいしくない紅茶」とは?

オーディションレポート ~「おいしくない紅茶」プロジェクト開始にあたって~

「おいしくない紅茶について知りたいんです!」

文:山本しのぶ

その言葉が発せられた瞬間、会場の空気が変わりました。


そのひとの「やってみたい」という思いをよってたかって応援する場である「未来なりわいオーディション」。

こんなことを仕事にしたいな。
やってみたいことがある!
この機会にかたちにしていきたい!

そんな思いをもった出場者と神戸の企業の経営者たちをはじめとした審査員、そして、応援したい思いをもったオーディエンスが集まる場です。リベルタ学舎の「未来なりわいカンパニー事業」のスタートを機に始まり、前回のプレ開催を経て第1回が開催されました。

その第1回優勝者が大野美紀子さん。紅茶を愛し、紅茶のおいしさを広めたいと考え、ティーインストラクターとして活動されています。紅茶を囲んでひとが集まり、ほっとしておしゃべりがはずんで笑顔になれる場。大野さん自身、紅茶のもつそんな作用に癒され、それをもっと多くの人に味わってほしいと考えておられます。

そんな、紅茶のおいしさを伝えたい大野さんからプレゼン中に発せられた「おいしくない紅茶」というワード。これがなかなかの衝撃でした。ティーインストラクターとして活動していくなかで、「でも……、なかなかおいしく淹れられないんです」「こんなにおいしいとは思っていなかったです」という言葉にたくさん出会ったといいます。それに対して、「おいしく淹れられる方法を教えたいんです」という流れかと思いきや、「おいしくなさを知りたいんです」と180°の発想の大転換。

たしかに、紅茶ってなかなかおいしいのに出会えない。紅茶は好きなのに、思い返してみるとそんなイメージをもっていた自分に気づきます。そこそこいいお店なのに、食後の紅茶はあんまり……だったり。

審査員として参加してくださっていた食品メーカーの次期社長さんからは「おいしさをいちばん大事に、売りにして商売してるから、「おいしくない」という言葉は自分たちにとってもつらい言葉。おいしくなさの研究っておもしろそう」とのコメントを、老舗珈琲店のオーナーからは「実はそれまでやっていたポットサービスだと飲み残しが多かったんですが、おかわり自由にしたことで実際は利益が増えたんです。そういうのもヒントになるかも」とのコメントをいただきました。

好み? 温度? 量? タイミング? 方法? 準備? 雰囲気?
いやいや、もっと別のこと?
「おいしくない」紅茶っていったいなんなんだろう? 大野さんの研究が始まります!

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