2018.06.13

レポート

昼下がりの領事001 「ナニワの微笑み外交官」タイ王国大阪総領事館インタビュー

昼下がりの領事001  「ナニワの微笑み外交官」タイ王国大阪総領事館インタビュー

タイは東南アジアに位置する人口6500万人の仏教国。皆さんはタイと聞いて何を思い浮かべますか?トムヤムクン、ムエタイ、タイマッサージ?日本人でタイを知らない人はおそらくいないでしょう。でもタイの領事館がどこにあるか知らない人は多いのでは?

天使の都があるタイ

地下鉄堺筋本町から1分。堺筋通りに面した交差点のバンコック銀行ビルにタイ王国大阪総領事館はあります。一見一般のオフィスビルと変わりありませんが、大きな国章が目を引きます。

一階の「バンコック銀行」と書かれた入口を通り、受付で確認した後エレベーターで5階まで。エレベーターを一歩出ると、そこは!タイ感あふれるお部屋でした。

タイの国旗と宝石をちりばめた装飾品・・壁には歴代の総領事の写真。あ、国王の写真もありました!日本の皇室とも深い関わりを持つタイ王室です。

「こんにちは~」

明るい声が聞こえてドアが開きました。ムニン・パーニサワット総領事とパヌワットプロムマノン領事の登場です。お二人ともとても優しい雰囲気です。お二人を見ているとタイの方は皆さん優しい方ばかりなのかと思ってしまいます(実際今まで怖いタイの方にお目にかかったことがありません!)。

実は私、以前からお二人に確認したいと思っていたことがありました。それは・・・

タイの首都は「バンコク」ではないという衝撃の事実!!

ムニン・パーニサワット総領事
ムニン・パーニサワット総領事

一般に知られている「バンコク」は国内では使われていません。
「バンコク」は外国人がつけた名称だから。

実はパヌワットプロムマノン領事、以前あるイベントでこの正式名を披露されていました。
タイの首都の正式名、もう一度言ってもらえないでしょうか。

「もう二度と言えません(笑)。タイ人でも言える人はめったにいません」

な、なんと!そうなんですか!あまりに長すぎて領事閣下も覚えていられないほどのタイの首都。
ちなみにどれだけ長いかというと・・

クルンテープ・プラマハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロックポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット

パヌワットプロムマノン領事(右)。タイの首都について教えてくださいました。
パヌワットプロムマノン領事(右)。タイの首都について教えてくださいました。

長い!長すぎる!
タイ人でも正しく言える人がほとんどいないことも納得できます。では普段はどう対応している?

「最初の部分だけとって「クルンテープ」といっています」

わかります、わかります。電話で「××支店です」という時、全部言っていたら時間がかかって仕方ないですものね。

ちなみにクルンテープは「天使の都」という意味だそうです。その由来については長くなりますので、また次回の課題としておきます。

各国フェスティバルの先駆け「タイフェス」

大阪タイフェスティバル。2018年は5月19日と20日に開催。
大阪タイフェスティバル。2018年は5月19日と20日に開催。

それにしてもタイって知らない人がいないくらい日本人の生活に浸透していますよね。

「タイ政府の戦略として「食+文化」という組み合わせで我が国を紹介することにしています。そうすることで皆さんの記憶に強く残ります。皆さん、旅行に行ったら必ず土地の文化に触れながら食事をしますね。それと同じことを日本で体験していただくのです」

なるほど。タイが他の国と比べてイメージしやすいのはそういった工夫にあったのですね。

「はい。例えば今年16回目を迎える大阪のタイフェスティバル。これはタイの「食+文化」戦略の一つになります」

お~タイフェス♪

タイフェスティバルとは、日本に居ながらにしてタイ気分が満喫できるタイまみれのお祭り!!毎年東京や大阪で開催されます。

「大阪ではタイ料理や工芸品を販売する50以上のブースが出店し、本場のダンスや音楽などの催しも楽しめます。昨年は18万人の人出がありました」

そういえば、私もいつだったか、タイフェスでタイ人のカラオケを聞きながらタイカレーを食べたことあります。そのあまりのリアルさに興奮したことがありましたっけ。
日本開催だからって、いやいや、決して侮れないクオリティですよ。

「タイフェスはいわゆる「各国フェスティバル」の先駆けなんですよ」

今でこそミャンマーフェスティバルやラテンフェスティバルなど、各国主催のフェスティバルが盛んに行われていますが、○○フェスティバルを始めたのは他でもないこのタイ王国だったのです!

タイの外交官が赴任先として最初に行きたい国、日本

大阪がお好きだというムニン総領事。
大阪がお好きだというムニン総領事。

ではタイ人は日本のことをどう思っているのでしょう?(もし嫌われていたらどうしよう!)

「タイ人は日本に対してとてもよい印象を持っています。多くのタイ人外交官が最初の赴任先に日本を希望するんですよ」

おお、うれしいことを言って下さるではないですか!それはどうしてですか?

「ひとつは両国の歴史にあるのではないでしょうか。日本とタイの人的交流は実は600年前に遡ります。アユタヤ朝の時代、タイにはすでに日本人町が存在していました」

ああ、あの山田長政って人がいた日本人町ですね!

「最近日本に留学するタイ人の若者が増加し、若者の交流が盛んになってきていることも挙げられます。タイ人も日本人もお互いに親しみを感じるのでしょうね」

そうですね。特に若い人は先入観がありませんからすぐに仲良くなれる。相手の文化も受け入れやすい。

「特に日本のスカラーシップを受けて留学した学生は日本に対してよい印象を持ち、他人にその印象を伝えます。そして卒業後も旅行やビジネスでまた日本に戻ってきます。その繰り返しで交流も盛んになっています」

なんだか身の引き締まるお話ですね。タイの方が我々の行動を観察していると思うと悪いことはできませんね。

私から直接タイのことを伝えたい(ムニン総領事)

日本人との交流にも積極的に参加するという。
日本人との交流にも積極的に参加するという。

ところで総領事が日本人との交流で大事にされていることはありますか?

「お声がかかればどこでも参加して、いろんな方とお話することにしています。例えば、大阪外大のタイ語学科を卒業した人たちの集いがありますが、前回は私も参加しました。会話するときはもちろんタイ語で話しかけましたよ」

すごい!タイ総領事も参加する外卒生の集い!緊張しそうですが、面白そうですね!

それにしても総領事は本当に活動的。タイ総領事館のウェブサイトでもあらゆる活動に参加していることがわかります。そのエネルギーは一体どこから?

「私の最大のミッションは日本の皆さんにタイのことをよく知ってもらうことです。
時にはタイ生け花のイベントも企画して日本の皆さんをお招きします。
我が国のことは多くの場合、日本人の口から他の日本人へと伝わっていきます。
ですからできるだけ多くの日本の方と会って、私から直接タイのことを正しく伝えたいと思っているのです」

おお~素晴らしいです!でも総領事閣下と会えない人もいますよね? そんな人がもっとタイのことを知りたい場合はどうすればよいですか?

「このタイ王国総領事館のあるビルは銀行からタイ投資委員会、貿易センター等が入居しています。いわゆるワン・ストップ・サービスで、ビジネス、投資、観光、留学、ビザ発行など、タイのことならなんでも相談できます。

我々の任務はタイ人コミュニティの保護だけではありません。日本の皆さんにサービスを提供することも大事な仕事です。

タイに関心のある日本の皆さん、どうぞタイ王国大阪総領事館にいらしてください」

【注意】
*タイフェスティバルは毎年5月に開催。詳しくは以下をご覧ください。http://www.thaifes.com/
*タイ王国大阪総領事館およびその関連施設を訪問するには、それなりの理由と事前申請が必要です。

古賀エリザベス

Reiko Erzsebet Koga

大使館愛好家。低賃金労働をしていた頃、行きたい海外に行けなくて代わりに大使館巡りを始める。以来、大使館の魅力にハマる。

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