2019.07.21

お知らせ

神戸でなりわうとは。【なりわいカンパニー代表あいさつ】

神戸でなりわうとは。【なりわいカンパニー代表あいさつ】

なりわいカンパニーの「問い」

事実:いま「人間の仕事」が、劇的に変わろうとしている

私たちがあまり意識していないうちに、社会は大きく変わっていた。

 すごく大雑把に書くと、1800年頃に第1次産業革命があって石炭による機械化が始まり、1900年頃に第2次産業革命があって石油による量産化が本格化した。さらにその後、1995年にコンピュータによって自動化が進んだことを、第3次産業革命と呼ぶのだそうだ。知らなかった。

 あまつさえ、2011年には第4次産業革命まで起こっていたのだという。そう、いま私たちが生きているのは「第4次産業革命後」、AIやIoTによる自律化が「当たり前」になる時代だったのである。なんてことだ。これまでの人類の歴史で、生きながら2度の産業革命を経験した世代なんて、いなかったのに。

 時代は後戻りしない。長いあいだ人間とともにあった馬車は、蒸気機関車になり電車になり自動車になった。そして馬車に欠かせなかった御者は、電車やタクシーの運転手となり、やがて自動運転の普及で消えていくだろう。私たちがあまり意識していないうちに、社会は大きく変わり続けている。第4次産業革命から10年、いま「人間の仕事」が、劇的に変わろうとしている。

もうひとつの事実:100年時代に、世界最低レベルの「働き甲斐」

これからも、時代はものすごいスピードで変わり続けると言われる。「VUCA」、不確実性の時代ともいうらしい。さて、そのなかであなたが生き延びるためには、どのような仕事をしたら良いのだろうか。どういう仕事であれば、機械に職を奪われることなく、そして誰かに「ありがとう」と言われ、この世の中が少しでも良くなっていくことに役立てるのだろうか。

 …それを考える前に、日本ではもうひとつ、直面しなければならない事実がある。主に先進国を対象とする様々な国際調査において、私たちの国は、「働き甲斐」が世界最低レベルだということ。ちなみに「karoshi」はそのまま英語版wikipediaに載っている。日本独特の事象であり、外国語に訳せないからだ。この国では、これから食っていける仕事を探すときは、働き甲斐がある、そして生き続けられる仕事であることも条件に入れた方が良いだろう。

 人生100年時代、らしい。一方で少子超高齢化社会のため、自分の老後をギリギリまで自分で支えなければならない時代が来る。いや、来ている。定年はもはや60歳から65歳に延長され、この後、70代に突入するのも時間の問題だという。とすると、私たちは人生の半分以上を、働いて生きることになる。「働き甲斐がない」、と首を振って諦められるような長さではない。もちろん、過労死なんてしちゃいけない。せっかく、人生長くなったのだから。

答えは、ない。

食っていけて、働き甲斐があり、長く続けられる仕事は、いったいどこにあるのだろう? ……いや、もしそんなものがすぐに見つかるようなら、この国で、「先進国で最悪レベルの貧困率」「働き甲斐のなさ」「過労死」という事実は生まれていないはずだ。四季があり豊かな伝統があり食べ物が美味しく礼儀正しいひとたちが住む美しいこの国は、「働く」という面では、かなり厳しい状況にある。功罪あれど安定雇用を生み出してきた日本独自の終身雇用制度もそれに紐づく年功序列制度も、この急激な産業大変革期において、もはや維持できなくなりつつある。

 文句を言ってもいい。だけど、それでは社会が整備される前に死んでしまうかもしれない。懸かっているのは自分の人生、自分の幸福、自分の命である。自分を、そして愛する人を守るために、自ら動くことも、私たちはできる。

 では、どうしたらいいか。答えは、ない。その理由なら、ふたつある。ひとつは、「人はどうやったら幸せに生きられるか」は、古代からあらゆるひとが考え続けているテーマだからだ。いまになって急に答えが出るとも思えない。そしてもうひとつは、あなたがどうであれば幸せかは、あなたにしかわからないからだ。あなたの外部に、答えはない。

仮説:「複業」

私たちは、これから「食っていけて、働き甲斐があり、長く続けられる仕事」をつくろうとする人たちと、共にこのテーマを問い続けたいと思い、「なりわいカンパニー」を設立した。そんな人々の願いを叶えられる「働く場」は、どのように成立しうるのだろうか? これもまた、答えはない。

 この問いに対して、私たちは、ひとつ仮説を立てた。それが、多様化し自律分散化する社会で、個人が「雇用される」「自営する」などの多様な働き方を実現できる「複業」だ。ちょうど投資において分散投資を目的とする複数の金融資産の組み合わせを「ポートフォリオ」と呼ぶように、このような複業をする人は、英語で「ポートフォリオワーカー」と呼ばれたりもする。

 自営をベースとしながら、たまに雇用され、時には地域貢献や社会貢献もし(育児も介護も立派な社会貢献だ)、それぞれがライフステージで取り組みたい農業や研究や趣味をする。つまり、「仕事の内容」も「働き方」も、複数を本人が総合的にマネジメントしていくことで、「収入・くらし」と「働き甲斐」を両立させようとするものだ。

私たちは問い続け、挑戦し続ける。

そこに参加する誰もが主体的に自分の仕事を生み出し、チームとしても最大限にパフォーマンスを発揮する、複業的な働き方を実現できる組織。そして長い人生を通じて、個々人がより社会に貢献できる力を高められるよう、(終身雇用型の企業にあった)育成という学びの機会も提供できる組織。それが、いま私たちが行っている、人材育成型複業プラットフォーム「なりわいカンパニー」だ。

 簡単ではない。従来の「全員が専業で毎日出勤する」組織に比べると、分散している状態(リモート)をベースに、各人のタイムマネジメント、プロジェクトマネジメント、チームマネジメント、そして個々人のビジョンやミッションに寄り添ったジョブマネジメント等を行っていかなければならない。しかも全員が、各々プロフェッショナルな領域をもつ、誇り高い個人事業主である。日々パートナーたちと話し、試行錯誤しながら、進めている。

 かつて組織は、個人が所属するものだった。組織にいた方が、ヒト・カネ・モノ・情報という経営資源を得やすかったからである。でもいまやIT技術の進展で、ヒトと知り合うことも、カネを調達することも、モノを安くで強いれることも、情報にアクセスすることも、個人単位で行えるようになった。

 その時、組織が提供できるものはなんだろう? 「幸せに働いて生きたい」という、それぞれの願いを実現できる場であること、だけではないだろうか。私たちは、これからより本格化する自律分散型社会にあわせ、所属ではなく「接続」する新しい形態の組織として、パートナーの幸せを実現し続ける存在であろうとしている。簡単ではない。でも、実現できるかもしれない。だから、私たちは問い続け、挑戦し続ける。

共に考え、共に挑戦する。

いま私たちは、事業として、”協働”を実現していくための、企画と広報を行っている。多様性の時代に、「生産者と消費者」や「産学官民」や「経営者と従業員」や「世代差・ジェンダー」など従来の枠組みを超えて、ともに未来をつくろうとする関係性”クロスパートナーシップ”を、広く社会に構築していくための、企画と広報。

 そして、主体性を引き出す人材育成を軸とする組織マネジメント。誰もが、個人として自律的に活動すると同時に、組織を含めた他者との協働を通じてより社会に貢献できるようになるのが、私たちの願いであり実践であるから。

 「働きがいも経済成長も」は、SDGsの目標8となっている。もちろんこれは「地球が持続可能であるために」だが、「個人が持続可能であるために」としても、同じことが言えるのではないだろうか。

 自分自身が、長い人生を通じて、続けられるやり方で、成長し、それぞれが思う幸せを実現しながら、社会にも貢献していく。そんな意志をもち実践してみようとする人や組織と、私たちは、共に考え、共に挑戦させていただきたいと願っています。

なりわいカンパニー株式会社 代表取締役

湯川カナ

 

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