2018.02.17

クローズアップ

自分の痛みを癒す、が原点(台所アル店主・中山日さえさん)

自分の痛みを癒す、が原点(台所アル店主・中山日さえさん)

文・熊井香織

兵庫県宝塚市の「台所アル」で、心と体においしいご飯を提供している中山日さえさん。マッサージの仕事、スムージー屋、子ども食堂と様々な仕事を経て、大阪から宝塚へ。

砂糖、みりんを使用せず、数種類の出汁で味を支える、弓田式ごはんに出会ってこれだ!と思ったそうです。だれもが美味しくてかつ健康なごはんを食べてほしい、そしてそんな働く場所を作りたい。そんな思いはどこから来たのでしょうか?ひさえさんに話を伺ってきました。

「スムージー屋をやっていた時は、若い女の人が喜ぶ。それを私が田舎のおじいちゃんに出しても分かち合えない。老若男女みんなが間違いなく美味しいものってなんだろうって、それでかつ健康なものってなんだろうって思っていたの。そんな時に弓田ご飯の特集に出会ったのよ。読んだときに絶対これは美味しいはず、私の好きな味やと思うって。作ってみたらやっぱり美味しくって。必ずしもオーガニックを使わなくてもいいし、誰でもできるしもっと可能性が開くと思ったのよね」

「たまたまこの場所は知り合いの人がやりませんかって言ってくれて、厨房や冷蔵庫全部譲りますと言ってくれて。大阪とここ宝塚は離れていたけど、子どもが中学に上がるタイミングもあって、置かれた状況で頑張ってみようと、ご縁で今に至っている」

今後実現させたいことはありますか?

「私がここ、台所アルをやっているのは、自分の過去受けてきた痛みを癒したんやなって」

「塾でこども食堂はしていた時、お弁当を持ってくる子もいたけど、コンビニで買って食べている人も多かったの。お昼ごはんのお弁当は持たせても、夜ごはんは持たせんよね。塾って大変かもって思いがあって、その塾で子ども食堂を始めたのね。でも無収入で働いていることや、手伝ってくれている人達にペイできないことが心苦しかった」

「だから、忙しいお母さん達のヘルプにもなりながら、安全なご飯を出す、そして一緒に働く人も誇りを持って楽しく働ける場所を作りたいんよ。自分が安全な食事を提供できる場所で、他のお母さん達を巻き込んでいけたらいいよね」

「私は過去に働こうとした時、自分に自信もなく、誇りを持って働けなかった経験があるから、お母さん達が誇りを持って働く、みんなが助け合って働くことができて、こども達も幸せそうに誇りを持って働いているお母さんを見ることができる、そうあったらいいなって感じがすごくある」

宝塚にきて1周年。意図せずに来てつながりもなかったけれど、毎日来る常連さんもいるそう。

ひさえさんにとっての「なりわい」は自分が過去受けてきた痛みを癒すこと。もっとこうだったらよかったな、を体現すること。今後は塾に通う子ども達に夕ご飯のお弁当を作るケータリングの仕事の計画があるそうです。それが実現すれば、この場所で一緒に働く人達とのなりわいも生まれるかもしれません。

熊井 香織

Kaori Kumai

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