2017.08.04
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あなたのツールは何ですか?
井上保子(宝塚すみれ発電)
仕事で人生をつくる、女性のためのトーク&ワークショップ Vol.2にて
あなたのツールは何ですか?
東日本大震災をきっかけとして、2013年に井上さんが立ち上げられた「非営利型株式会社 宝塚すみれ発電」(http://takarazuka-sumire.com)。現在、宝塚市内に6ヶ所の太陽光発電所を構えられ、今後は生物資源を活用するバイオマス発電にも取り組まれる予定なのだとか。
でも、井上さんはおっしゃいます。
『再エネづくり』をしたいわけじゃないんです。再エネは、あくまでもツール。私の仕事の目的は、自分が好きな食べ物や地域、次世代に渡したい『具体的なもの』を残すこと。
例えば、自分がおいしいノンホモ牛乳が好きだから、乳牛会社の工場の屋根を太陽光発電所にして、(遮熱効果も含めた)電力や電気代の削減を実現する。
例えば、宝塚の農地が廃れゆくのを見たくないから、農地の上に太陽光パネルを設置して、太陽の光を農業と発電で分け合う《ソーラーシェアリング》の発電所をつくる。
「雨の日はいやだけど、365日ぜんぶが雨じゃないでしょ?」
井上さんが25年続けた新聞配達時代に、所長からかけられたこの言葉。雨が降ることは止められないけど、カッパを着て濡れずに済ませることはできます。井上さんは、この言葉を聞いて、「自分がコントロールできないことに文句を言うのはやめよう」と決められたそう。
それは逆に、「自分にコントロールできることを見つけて、存分に取り組もう」ということでもあります。
後日、井上さんにとっての「なりわい」をあらためてお伺いしました。
再生可能エネルギーでまちづくり、を謳ってはじめた事業。でも、その先にあるものを求めると、「まちづくり」が最終目的ではないということがわかってきた。
地域で「課題」といわれているものが、実は「宝」なのではないかと思って見渡すと本当に宝物だらけ。この宝に気づいてしまったら、それをどうやって生かしていけばよいかを考えるようになった。
ああ、そうだった。これらを結びつけるためのツールとして、「再エネという手法」を手に入れたのだな、私は。
このツールを最大限に活かして宝の山を築いていこう。あ!いつの間にか仕事になっている、というのが事業を始めて5年目の感想である。
そして、志を形に。これこそが生きていくための仕事だと私は思う。
編集部editor
神戸でなりわうプロジェクトの編集部が作成した記事です。
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