2019.12.25

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ジャズ的協働から「こんな人たちいったいどこにいたの」な人に出会う場を 創りだすということ【後編】

ジャズ的協働から「こんな人たちいったいどこにいたの」な人に出会う場を 創りだすということ【後編】

文:佳山奈央

メンバー一同ドキドキしながら迎えた当日。

結果、参加者は7組。目標していたMAX参加者数には届かなかったが、損益分岐点は超え赤にはならない数だった(未来なりわいカンパニーは、企画を「なりわい」にすることも重視するので、ここも大事なところだったりする)。

第3章:企画当日とその後 「こんなママ一体どこにいたの!」 出会いたくてもなかなか見つからないタイプのママたち、あつまる。

ご協賛いただいた食材と、買い出しに行ったものとを合わせて、和気あいあいと準備する。当日の準備時間も、またジャズ的(笑)。誰がどの役割というのも明確に分担、指示されるでもなく、自然と動いていく。世代がバラバラだからこそ、誰も指揮をとらないこの進め方がかえって一番スムーズなのかもしれない。

今回ご協賛いただいた企業は(五十音順)

株式会社三宮一貫楼 様

三宮駅や元町駅南側、豚まん手作りの光景で有名な三宮一貫楼様。豚まんでまちおこしをと「豚まんサミット」も企画する同社に、看板商品でもある淡路産玉ねぎの甘味たっぷり「豚まん」を協賛いただきました。

生活共同組合コープ自然派兵庫 様

組合員である子育て中の女性が、仕事も子育ても、自分らしく前向きに頑張ることを、食という側面から応援するコープ自然派兵庫様。今回の企画趣旨にご賛同いただきリベルタ学舎への企画に初のご協賛。

白鶴酒造株式会社 様

全国の約3割の日本酒を生産している酒処「灘五郷」でNo.1の酒造メーカー。障害者の自立支援施設である御影倶楽部の紙漉きに、酒の紙パックを提供するなど、社会貢献にも取り組んでいらっしゃいます。

六甲バター株式会社 様

「ベビーチーズ」や「チーズデザート」などの「QBBチーズ」で有名な、神戸のチーズ専業メーカー。地元に貢献したいと、神戸マラソンやTEDxKobe等、様々な地域イベントもサポートされています。

食材等のセッティングも完了し、肝心なのはここから。企画者(佳山)が出会いたい人=企画を通じて幸せにしたい人、を顧客として企画を進めてきたが、実際にどのような方達が参加してくださるのかは申し込み情報だけでは読めない。人数は把握している当日は、楽しみな気持ちでドキドキしながら受付時間を迎える。

そうして実際に集まった参加者は以下の7組。

【参加者紹介】

シオリさん/神戸に来て2年目の、生後10ヶ月の双子の男の子を持つママ。東京拠点のシンクタンクで、多様な働き方、企業内人事管理、地方創生などをテーマに官公庁の委託事業(調査やセミナー事業など)に従事し、育児に在宅勤務と出張、と忙しい日々を過ごしている。

 

マユミさん/小2の男の子と2歳の女の子を持つママ。やりたいことにチャレンジする女性を応援したいという想いで、アパレル販売員の経験を生かしファッションアドバイザーとしても活動しながら、行政書士資格を取得し今年1月に独立開業。

 

サヤカさん/5歳の女の子のママ。長年勤めた会社からのフリーとしての独立に向け準備中。世の中のためになりたい、と何か取り組んでいる方の想いを、レイアウトやデザイン、文章に落とし込み表現することが大好きという、グラフィックデザイナー/ライター。

 

リカさん4歳と2歳半の年子男児のママ。赤ちゃん先生プロジェクトという活動の中でトレーナーという開催時の司会進行をしていたり、在住区の子育てひろば運営を始め、NPO活動、防災士など子どもとの毎日を全力で楽しむアクティブなママ。

 

チヅルさん4歳のママ。元幼稚園教諭として18年間いろいろな親子と関わる中で、幼稚園教諭としての無力さや幼稚園で出来る事の限界と、入園前の親子へのアプローチが必要だと強く感じていた。現在は宝塚にて、入園前のママと子どものためのコミュニティスペースとして「おやこカフェ」を週1回運営している。

 

ミホさん/5歳と1歳のママ。育休中の保育士。自身が親になり、子どもの成長は本当に一人一人それぞれだということを強く感じるようになり、型にはめていく保育ではない、もっと自由な保育の在り方や、保護者と一緒に楽しめる保育のかたちを考えたい、と今回の企画へ参加。

まずはパネラーも参加者も含めた全員の自己紹介から始まるが、これが全員長い(笑)。トークセッションの時間をほぼフルに使ってしまった。でも「~くん/ちゃんのママです」以外のプロフィールや語れることを、ちゃんと持っている人たちならではの自己紹介だからこそ。この時点で、あーまさにお会いしたかった人たちが集まってくださったなと嬉しい気持ちになる。

そして、ここから玉川さんによる子ども向けのワークショップ「空想無人島ゲーム」が始まる。

流石、子どもたちの興味・集中を引き出す演出がとにかくうまい。ママたちのトークがなかなかのボリュームで(笑)盛り上がってくる横でも、子どもたちはちゃんとワークショップの世界観に入り、無人島ゲームを楽しんでいた。あらためて、プロの仕事に感銘を受ける。

冒頭の自己紹介が長引きトークセッションの時間はかなり少なくなってしまったものの、子ども向けワークショップも終わり、食事のセッティングへ移る。

ほくほくしたオレンジの箱を見るや「豚まん!!!」と駆け寄る子どもたち。「自然派さん、うちも愛用してますー!」という声もちらほら。企画趣旨にご賛同して協賛いただくことの魅力を、あらためて実感する。

親子で豚まんを頬張り、有機野菜のピクルスとサラダスティック、子どもたちが自由に作るおにぎりを楽しみながら、盛り上がるトーク。とにかくもう、何がいいって、例えばワーママや保育の課題の話になっても、絶対に愚痴の言い合いや傷の舐め合い的な議論にならなかったところ。みなさんご自身の体験をベースに話されつつも、冷静に問題点は受け止めて、もう少しこうできるといいよねと前向きに、主体的に自分がどうよくしていくかという視点ありきで語っている。

そうだよこれだよ!!!いわゆる”ママ友”イメージになかったもの!

こういうトークができるママに会いたかったのだ。そうこうしているうちに、あっという間に2時間が終わる。参加者でFacebookグループを作り、その日は解散した。

その後の企画者(佳山)の所感

何よりも良かったのは、参加者のみなさんに、笑顔で「また来ます」と帰っていただけたこと。参加者のアンケート記入率100%、そして企画者佳山と同じく「こういう場が、ほしかったんです!」「こういうママさんたちに、会いたかったんです!」といった趣旨のフリーコメントが多かったこと

その後もFacebookグループでランチやお茶を企画し、数組にゆるっと参加していただいている。とりあえず交流会で会っておしまい、ではない、その後もゆるっと遊びに行けるような関係。業種はバラバラだけど(だからこそかも)子育ての考え方や、親としての価値観は近くて、仕事でもどこかで一緒に何か形にできる機会があるといいですねという関係性。

この感じ、まじでなかなかないんです。本当に。

家族や日々の愚痴をこぼし合う関係性の付き合いは求めていないし、強制されるような付き合いもちょっと面倒だからと言っていわゆる意識の高いキラキラママと繋がりたいわけでもない…。それぞれ仕事なり何なり自分の人生を楽しんでいて、その背中を子どもに見せたいよね、一緒に人生を楽しみたいよね、という価値観を共有できるからこその、さっぱりした緩やかな関係性。

「~ちゃん/くんのママ」同士、という関係も良いけれど、その肩書なしで、シンプルに人として魅力的だから会いたいと思える関係性。これって実は結構ハードルが高くて、その辺で待っていて簡単に出会ってつくれる関係性ではないと思っている。

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