2017.11.15

なりわいを考えるシリーズ

ヨガスタジオ=寺子屋? つながりを取り戻す。( “スペースわに” ぬんさん)

ヨガスタジオ=寺子屋? つながりを取り戻す。( “スペースわに” ぬんさん)

文・野崎安澄

神戸・元町のヨガスタジオ『スペースわに』でなりわいをされているぬんさん(本名:榊原慶祐さん)。ヨガティーチャーとしてヨガクラスだけではなく、自主映画上映会や様々な講師を招いてのワークショップ、英語教室も開催しています。そこにはどんな意図があるのでしょう?そして愛知県出身なのになぜ神戸?伺ってきました。

「元々は就職がきっかけで神戸に来たんですが、来た初日から『なんだこの友達のできやすい街は?』と(笑)。美容室を聞いたら数珠つなぎに友達ができていって、最後は道で知り合った人に空港まで送ってもらいました。すごくフレンドリーだし、性に合う感じですね。でも実はその延長線上に今もある気がしてるんです。なので、仕事を辞めてから自然に神戸でヨガを教え始めました」

暖かい光の差し込むヨガスタジオ
暖かい光の差し込むヨガスタジオ

–この『スペースわに』での様々ななりわいを通して、こんなことを実現したいなという想いはありますか?-

「『つながり』っていうことが大きいかなと思います。人と人のつながり。色々なジャンルの人がこの場で繋がったらいいと思うし、ここは都会のスタジオなので、街の人たちが自然への意識だったり、つながりを感じるきっかけ作りをしていく。言うなれば、コミュニティー型のヨガスタジオ」

「昔は寺子屋とかお寺がそういった役割を果たしていたと思うんです。今はヨガスタジオがその代わりの立場になれるんじゃないかな、って可能性を感じています」

「人と人が集まってご飯を食べたり、心の話をしたり、なにかシェアリングしたり。みんなで歌ったりもしやすいし(笑)。こんな風に衣食住を柔らかくカジュアルに考えるきっかけを作れる。ヨガスタジオは「きれいになりたい」とかそういう思いで来る人もいると思いますが、結局全部つながっているんですよね」

「教育の場であり、シェアリングの場であり、学びの場である。そんなヨガスタジオであり続けたいですね」

こだわりの食品を置いているわにショップ
こだわりの食品を置いているわにショップ

「神戸と言うことにこだわって仕事をしていくなら元町より西、山の手にスタジオを持ちたいとずっと思っていました。ここもこんなスタジオを持ちたいと喋っていたら、人が繋いでくれたんですよね。神戸の好きなところは、フレンドリー、オープン、そしてゆるい。優しさが届く大きさ。ピースフルな街。やっぱり人が好きな街ですよね」

 

温かいほうじ茶を入れながら、じっくり想いを語ってくださったぬんさん。自分らしく、ゆっくりと人と人の縁を紡いでいくことで、この神戸の街で新しいなりわいを生んでいく。本来、人間や自然がお互いにつながりあう場に『なりわい』が生まれる、という当たり前のことを思い出させていただきました。

野崎 安澄

NOZAKI AZUMI

愛知県在住の2男児の母。NPO法人セブンジェネレーションズ共同代表/愛知アーバンパーマカルチャー発起人。東日本大震災・福島第一原発の事故をきっかけに、子供達に7世代先まで環境的に持続可能な美しい地球と公正な社会を残すための活動をスタート。持続可能な環境・社会を作るためのワークショップやオンラインコースの立ち上げ・様々なコミュニティ運営を行っている。2020年は愛知で仲間達と本格的な米作り&畑もスタート。自分の人生を120%楽しみながらDEMOくらし編集部で編集/ライティングをしています。

この記事を読んだ⼈におすすめの記事

ページトップヘ